タイ・バンコク出身 ミャンマー・広告代理店勤務 細川エリナさん(26歳)②



前回インタビューでは、細川さんの来歴を教えてくれました。
ここからは、これまでの人生で感じたことを存分に語ってもらいます!

知らないことを否定したくなるのは「知らないから」に尽きる

角田
色んな文化の中で生きてきた細川さんにしかわからないことが沢山あると思います。
場所を移るたびに感じてきたことを教えてください。
エリナ
知らないことに気付いて向き合い、理解することができたら「嫌いなもの」や「許せないもの」などのネガティブ要素を含んだ印象の物事はなくなるということですね。
中でも最初のステップでもある「知る」ということについて深く考えさせられました。
角田
その話、詳しく教えてください。
エリナ
私の例で言うとタイから宇和島に行った時、そして宇和島からミャンマーに行った時なんですが「前に居た場所」に対し、どちらかと言うとネガティブな印象を持たれている方に見当違いなことを言われることがありました。
角田
前回のインタビューでもお話しされていましたね。
僕もそういう体験を何度か経験したことがあります。
エリナ
やっぱり悔しいと言うより、悲しいですよね。
でも同じ経験を繰り返して行くうちに、そうなる原因は「知らないから」の一言に尽きると思うんですよ。
最初から「良い印象」が世間や周りの環境から与えられている物事の裏面ですね。
何も情報を与えられていない物事だと、それに対して何かを感じようと試みても、判断材料がないので「情報がない=魅力がない」「良い印象がない=特に良いことは何もない」というような方向に思考が進んでしまいます。
そして、知らないうちに「知った気」になり、判断してしまう
角田
確かに、判断材料が何もなければ、知らないことに対してポジティブな捉え方をするきっかけすらないのかも。
エリナ
人は自分の気付かない場所で、どうしても比較してしまうので、その(知らないはずなのに、知った気になっている)場所に対し、自分がいる場所の方が「よい」と判断して、もう一方には「よいと判断されなかった場所」と言う印象が構築されます。
それってどちらかと言うとネガティブな印象ですよね。
角田
そう思います。僕自身も、知らないうちにネガティブに捉えていることが多いです。
エリナ
自分の気付かないところで、その「全く知らないもの」に対して警戒心が働いているのかも知れませんね。得体が知れないので笑
だからこそ、それを知ることで一気に視野は拡がり、受け入れられるものだと思っています。
角田
良いこと言いますね。
では、細川さん自身が気づいた宇和島の魅力はどんなところでしょうか。
エリナ
すごくいっぱいありますよ!
まず、人がこれでもかって言うほど本当に優しいです。
たまたま出会った知らない農家さんがみかんや桃などをもぎって分けてくれたり、生えてる木の種類を教えてくれたり。漁師さんから魚やタコなどをもらったこともあれば、人生の先輩の方々からは為になるお話や、知恵となる経験談を共有していただけました。
もう、本当に貰いきれないほど素敵な物を分けていただきました。
角田
松野町もそうですが、南予の人は本当に暖かいのですね。
エリナ
そうなんですよ!そして、私は父の実家がある九島という島に住んでいたのですが、
星がすごく綺麗に見えるので毎晩癒されました。
父が生まれ育った場所は、物凄く素敵な場所だと感動しましたね。
角田
星空が綺麗に見えるのは、空気が澄んでいる証拠ですね!
(インタビューの次の日に僕も九島に行きましたが、景色が本当にきれいで感動しました!)


角田
宇和島に来たときに歴史を勉強し直したと言っていましたが、そこから得られるものも多かったのでしょうか。
エリナ
大いにありましたね。
宇和島の歴史は勿論たくさん勉強しました。ラジオで旅の情報番組を担当していたこともあって、みんなが知らない宇和島を多く発見したかったんです。
知れば知るほど宇和島、そして宇和島を含む愛媛県は本当に面白くて魅力が多い素敵な場所だということに気付けました
最終的には地元の方と同じぐらい、もしくはそれ以上詳しくなれたと自負しております笑
角田
努力のたまものですね笑
エリナ
おかげさまで笑
周りの方がいてくれたから気付けたことだと思っています。
地元だからこそ逆に近すぎて、尚且つ当たり前のことだから魅力にすら感じないと言う歯痒さにも気付けました
宇和島の歴史や文化など、すごく面白くて興味深いのに地元の方はそれが当たり前だからそれを魅力だと思わない。
つまりその魅力を「知らない」ことになるんですが、それは本当にさみしいことだなと思っています。

大切なのは、まず触れてみること

エリナ
いきなり話は変わるんですが、人って先入観だったり食わず嫌いがすごく多い生き物だと思うんですよね。そして「知らないことを否定する」のは、その一種な気がします。
角田
と言いますと?
エリナ
私の例で言うと、元々猫が大嫌いだったんですが、実際飼ってみたら大好きになってしまったんですよ。
そして「ある国」に対しても全く良いところがない国だなと、なんなら嫌いだとさえ感じていたのに、友人の強い勧めに観念して実際にその国に行ってみると・・・・その気持ちはなくなりました。
何事に対してもそうなんですが、本当に触れてみないと「わからない」ものだと学びましたね。
当時のことを振り返ると、無理してでもその物事に向き合ってみたことは本当に良い経験になったと思っています。
角田
「やってみないとわからない」とよく言いますが、小さいことでも同じことが言えますよね。
エリナ
「知らない」ことは幸せでもあるんですが、不幸でもあるんですよね。

でも、少なくとも「知らない」っていう状態や「嫌い」っていう感情って、どちらかと言えばマイナスな要素なので、それを抱えたまま生きていくよりかは幸せなんじゃないかなって考えてます。
あ、また気付かないうちにここでも自分で比較しちゃってる笑

角田
人間らしいということの裏返しだと思います笑
他にもそういったお話はありますか?
エリナ
そうですね。
それこそ私が宇和島に住んでいた時に、愛媛に来たこともなければ愛媛のことを何も知らない友人を数人無理やり呼んだことがあったんですが、結果的に「今まで愛媛って何があるのか「知らなかった」けど、すごくいいところだね!」と、言ってもらえたのが嬉しかったですね。
角田
それは嬉しいですね!
エリナ
本当に行ってみないとわからないし、やってみないとわからないものだなと思いました。
試すこと、つまり行動に起こすことで視野や価値観が拡がるのだと思います。
角田
実際に自分が手を動かすことで気づく面白さや魅力がありますよね。
僕も、大嫌いだった読書が、本を読めば読むほど好きになっていきました。
エリナ
そんな感じです!
ここでさっきの話に戻るんですが、自分の「知らないこと」や「嫌いな物・ネガティブな印象を持っている物」ってこちらから近付いていけるんですよ。
一方的に距離を置いているのはこっちなので当たり前のことですよね笑

つまり何が言いたいかというと、今の時代は情報が溢れていて印象が勝手に歩き回っている状態なので、気軽にネットで情報を入手できたり、メディアや周りから情報が勝手に入ってくるんですよね。調べてもいないのに笑

そこで一旦とは言え、印象が構築されてしまうので「知った気になっちゃう」んですよ。

角田
なんだか、ドキッとしてしまいました。
エリナ
この話で何か思い当たることがあれば、そこには「知らない」ことが潜んでいる可能性が高いということ。
まず知らないことは知らないので、知らないことを見つけ出す方法として「嫌いな物」や「ネガティブな印象を持っている物」から入るのが一番手っ取り早いです。

人間は、失ってから大切さに気付く

角田
僕自身、今では愛媛が好きで魅力もたくさん知ることができましたが、正直言うと愛媛を離れてから知ることがほとんどでした。
細川さんもそういった経験はありましたか?
エリナ
あります、あります。
タイから宇和島へ行ったとき、そして宇和島からミャンマーへ来た時に感じました。
角田
その時いる場所のことを知ろうと努力して知識を吸収してきたと思うのですが、それでも感じるものなのですか?
エリナ
そこでいくら「知った」としても、離れてからでないと知れないことって必ずありますね。「人間は、失ってから大切さに気付く」などと言われていますが、まさにその通りだと思いました。
角田
地元を離れた経験がある人が、一度は通る道なのかもしれません。
エリナ
でも、それも仕方のないことっていうか、そういう風にできているんだと思います。
自分がいた場所を客観視できるのは「そこを出たから」であって。
そこにいる限りは他を「知らない」ので客観視すること、つまりは他から見ると自分たちはどう見えるのか、という感じで比べることができないからです。
角田
出て行った後に気づけたのなら、それはそれで正解なのだと思います。
気づくことが大事なので。
エリナ
私はタイから宇和島に行った身なので、地元の方が気付かない魅力もたくさん知ることができたと思っていますが、それでも宇和島を出てから気付いたこともありました。

「地元の人が地元の魅力を発信したものの、アピールの方向性がイマイチ」などといったケースがありますが、これでなんとなくその理由がわかります。
また、外から来た人の存在意義は「知ることで、地元の人にその魅力に気付いてもらう」ことなのかもしれませんね。

今いる場所の魅力に気づいてほしい

角田
熱いインタビューも終わりが近づいてきました。
これまでの人生の中間地点として過ごした宇和島での生活を振り返ってみて、宇和島はどんな場所でしたか?
エリナ
場所だけでなく沢山の人や物、文化や歴史に触れる機会をくれたのが宇和島でした。私の世界を更に広げてくれた大切な場所です。
角田
世界が広がった場所が宇和島であることは、愛媛県民にとっても嬉しいことだと思います。

最後に、愛媛にいる若者にメッセージなどがあれば教えてください。

エリナ
では、地元が本当に大好きで素晴らしいところだから皆にも好きになって欲しい!という熱い思いで、地元を活気付けて盛り上げようと頑張っている人たちに。
角田
お願いします!
エリナ
個人的な意見ですが、まだ一度も地元を離れて生活をしたことがない人は、違う場所での生活に絶対に挑戦してみた方がよいです。
そうすることで何かしらの「感情」が生まれます。その「感情」に向き合うことが「今まで気付かなかった地元の魅力」を知る効果的な方法だと考えています。

今までの当たり前がそうではなくなってしまった時。
それってつまりは「今までの当たり前」を「失った」ことになるんですよね。地元ではAが当たり前で、新天地ではBが当たり前だった場合、もし「Aの方が良かった、Bはダメ」って思ってしまったらチャンス到来です。

角田
ありがとうございます!
「チャンス到来」と言うように、失ってから大切さに気付くということは、前向きな言葉なんだなと気づきました。
エリナ
そうですね。折角、気付けたんだからそれを放置せず、真剣に考えて悩み抜いて欲しいです。
特に「視野を広げたい」と思っている人は、今とは無理やり真逆の環境に身を置くことで一気に180度も広げることができます。
知らないこと・知りたくもないことを知ってみる、やりたくないことをやってみる。
最初は小さなことでもよいので何か始めてみてください。
皆さんのご活躍を心からお祈りしております!

知ることから全ては始まる」ということを教えてくれた細川さんのインタビューでした。
知ることによって世界が広がり、知ることによって好きなものが増えていく」それを体現する細川さんの生き方が表れた内容になったのではないでしょうか。
実は、今回の記事では収まりきらないほど熱く語ってくれました。その溢れた想いを、これからヒメセカメンバーとしてミャンマーから発信していきます!お楽しみに!

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