(2018年11月21日に発売したイノシシ脂保湿化粧品「TAON ワイルドボア トリートメントバーム」)
両親の後押しで愛媛へのUターンを決意した
ヨガの最中は、携帯からも離れられるし無心になれるんですよ。とにかく会社が終われば、毎日ヨガに行っていました。むしろそれがあるから会社に行けていたんだと思います。すると段々痩せてきて、肌質も変わって、元気になってきて。仕事も落ち着いてきたので、次の早期退職制度で会社を辞めました。
結局、内定は頂きましたが、ここに入ってもすぐに辞めちゃうかもと思ってしまって。その頃には、クラウドソーシングでデザインやネットショップ運営の仕事を貰っていたので、思い切ってそれを本業にしようと思いました。
そのときに初めて、愛媛に帰ろうかなと思いました。また高校生のときから親元を離れて暮らしていたのもあり、このまま両親との時間を取れなかったら後悔するなと思ったんです。両親も「帰っておいで」と言ってくれ、愛媛へのUターンを決意しました。
ただ、3か月くらいは全然売れなかったですよ(笑)しかしある日、スマホケースが欲しいなと思ったときに、自分が欲しいものが無かったので作ってみたんです。10個から作ってくれる中国のサービスを利用したんですが、それがすごく売れたんですよね。若い女の子たちが、「友達とお揃いにするから」ってたくさん買ってくれて。そこからネットショップが忙しくなり、実家にいるのに寝ずに仕事をしていましたね(笑)しかし、忙しいながらも、物販って楽しいなって改めて思いました。
しかし、ネットショップも類似商品がどんどん出てくるため、常に進化をしないと保てないんです。「このままではだめだ。新規事業を始めないと」そう思い2016年4月に東京に戻ってきました。それで始めたひとつがEDM yogaだったのですが、思ったようにお金にならず…。今年こそは絶対事業を見つけると、2018年のお正月に決意したのを覚えています。
バックグラウンドは誰にも真似できない
そこからイノシシのことを調べ始めると、実は獲られていたイノシシの95%がそのまま廃棄されていることを知ったんです。(加工場を作る要件が厳しかったり、解体所への持込条件が厳しいなどたくさんの理由がありますが。)
「農作物を食べる獣害だけれども、せっかく頂いた命であれば余すところなく活用したい。」そんな時に、イノシシ脂で母がクリームを作っていたことを思い出し、それを売るのはどうかと考え始めました。
また、活用率の低さに加えて、猟師さんたちの高齢化という問題もありました。足腰が悪くなると山に入れないため、若い人を増やさなければならない一方で、若者にも魅力的に感じるお金がきちんと貰える職業にする必要があります。
そのときに、自分が地元外でのイノシシ需要を増やすことで、買い取り額が上がるんじゃないかと思いました。
(初めて公の場でイノシシ化粧品開発を発表したWAAK LAB TOKYOのトークベント)
一方、ネットショップ事業でもそうでしたが、商品は真似される可能性が高いんです。そのときにバックグラウンドは絶対重要だと思います。OEMで化粧品を作ることは誰でもできますから。西予市に生まれて、父や地元の猟師さんを知っているからこそ、害獣駆除や地域おこしへの気持ちは誰も真似できません。目指せ、イノシシ界のソンバーユですかね(笑)
結局その縁が実って、製造メーカーは見つかりましたが、原料のイノシシ脂は自分で集めなければいけません。西予市のイノシシ脂だけでは足りなかったので、日本全国の解体所をあたりました。そうやって挨拶をしている間に、地元の猟師さんから「肉も売ってみれば?」と言われたんです。
なので色んな方の縁と応援で今イノシシを売れているのが本当にありがたいですね。やっと事業が見つかったと思いました。
あと、余すところなく活用したいという意味では、今はペット向けに骨の活用を考えています。実家の猟犬が、昔からストレス発散のためにイノシシの骨を噛んでいたんですよね。そう思えば、我が家ではずっと前からイノシシを全部活用していたんです。どう広めるかが自分の役割だと思っています。
(いずねぇのお父さまが捕獲したイノシシ。解体所に運ばれるまで自宅の庭に時々います。)
生まれ育った環境や経験など『今あるもの』が活きている
これまでは、東京が最先端だし、チャンスが転がっているのも東京。事業を探すときにも『何か新しいもの』を見つけようとしていました。しかし今は真逆で、生まれ育った環境や経験など『今あるもの』が活きています。しかしそれを見つけられたのは、違う環境に身を置いたからなんですよね。私のイノシシ愛も、愛媛にいたら当たり前だけど、東京にいるからこそみんなが興味を持ってくれています。
特に学生の時は同じ友達といることが多いため気付きにくいですが、実はそのコミュニティでは3番目だった自分も、他に行けば1番になれるかもしれません。コミュニティを増やすことはすぐに実践できます。そうやって人が持っていないけど、自分が持っているものって何だろうって、改めて考えてみるのはどうでしょう?
それまでは、愛媛のために地域活性化って考えたことなかったんです。しかし松野町の物産展で、出品者さんのWEBサイトがすごいお洒落だったのと、地元の人の頑張りを見て、「こういう人達がいるんだ。一緒に仕事が出来たらいいな」と思ったんです。その時に改めて、やっぱり愛媛って良いなって思いましたよ。
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