松山市在住。愛媛FC・スクールコーチ、関根永悟さん（37歳）

関根永悟さん（37歳）※取材時の年齢

愛媛FC　普及部　スクールコーチ
埼玉県川越市出身
愛媛県松山市在住

どんな仕事をしているんですか？

愛媛FCが運営するサッカースクールのコーチをしています。

幼稚園生・1～6年生の子供たちにサッカーを教える仕事で、今年で3年目です。

県内に10の練習場があるので、月木は東温市、火は砥部町、水は今治市、金曜日は宇和島市と、平日は毎日のように県内を飛び回っていますね。

土日はお休みですが、愛媛FCのトップの試合があるときには、会場準備や片づけも行います。

同じ仕事をしているのは6～7人。僕自身、もともと愛媛FCのサッカー選手でした。元Jリーガーなど、何かしらサッカーの知識を持つ人が多いです。

1日のスケジュールを教えてください。

なぜ今の仕事を選ばれたんですか？

縁とタイミングですね。

元々、33歳まで10年間、愛媛FCのサッカー選手でした。しかし、プレーすることが好きだったので、教える側に回ろうとは思っていなかったんです。

そのため、現役引退後は自分のやりたいことをしようと、カフェの店長をしました。ケーキ作りからコーヒーを淹れたり接客をしたり、ひいてはネット販売まで。接客は楽しかったですが、初めてなことばかりな上に多忙でパンク寸前。元来の負けず嫌いで、乗り越えられた感じですかね（笑）。

しかし2年後、オーナーが戻ることになり人手不足が解消されたんです。自分の店を構えるか、違うカフェに行くか。そんなときに、愛媛FC育成に関わる先輩から、共通の知人が来るからとごはんに誘われ、「スクールコーチを探してる」と声をかけられました。

実はカフェの店長をしたのも、紹介と縁が重なったからです。今回も、知人が来なかったら先輩とも会いませんでしたし、これもタイミングかなと思いました。

仕事の魅力はなんですか？

サッカーに携われるのが純粋に楽しいですね。

ほとんどサッカーをしなかったカフェ時代の2年間を経て、今はサッカーを教える立場になり、また草サッカーも始めました。

実は僕自身、好きで始めたサッカーでしたが、挫折が重なり、気合と根性で乗り越えるタイプになっていたんです。全く別のことをしていた時期があったからこそ、今サッカーをさらに楽しめているのかもしれません。

スクールコーチの先輩たちを見ると、子供たちにサッカーの楽しさを伝えるには、自分が楽しそうにやることが大事だと学びました。サッカーに携われること、そして子供たちにサッカーの楽しさを伝えられることが魅力ですね。

これまでの人生について教えてください。

小・中学校

サッカーを始めたのは幼稚園のとき。きっかけは、友人の父がサッカーコーチだったからです。幼稚園の卒園アルバムには、サッカー選手になりたいと書いていました。

しかし、中学で大宮のクラブチームに入ったとき、上には上がいることに気付き一度挫折をしたんです。当時、辞めてもいいよと親には言われましたが、負けず嫌いが影響し続けることにしました。親はそんな自分も分かっていたのかもしれませんね（笑）。練習場までの送迎もしてくれていたので、親のサポートがなければサッカーを続けられなかったかもしれません。

高校

高校にはサッカー推薦で入りました。クラブチームでは、スタメンで試合に出ることはほぼありませんでしたが、推薦されたのは、それでも毎日練習を頑張っていたからです。

転機は高校２年のとき、DFに転向したことです。監督の勧めでしたが、実力が引き出されて、試合にも出られるようになりました。当時も将来の夢はプロサッカー選手。しかしプロへの声はかからず、高校の先輩が所属する本田技研工業の社会人チームに入りました。

社会人チーム

社会人チームでは、5年間、車の製造の仕事をしながらサッカーを続けました。狭山市にある会社の寮に入り、毎日約8時間の仕事、約1時間半の練習、週末に試合をしていましたね。

社会人でもサッカーを続けられる環境、それを辞めたのはやはりプロになりたかったからです。当時はチームとして、社会人リーグからJFL（※）への昇格が悲願でした。「今年でJFLに上がれなかったら、違うチームを探そう」。そう思い臨んだ5年目で、結局社会人リーグに残留。チームに相談したところ、愛媛FCのセレクションの話を聞き、無事合格しました。

※日本サッカーのリーグ構成。大まかにJ1→J2→JFL→社会人リーグ。今はJ2の下にJ3もある。