「アートで生きるには、できるかできないかじゃない。気持ち一つだよ。」文字と筆と紙で生きていく、墨書家にインタビュー②



白晃(はっこう)さんインタビュー記事の続きです。

 

母として「育児と自分のやりたいことの両立」についてのお話や、

「アートで生きていきたい人へ伝えたいこと」を伺いました。

母として、好きなことにのびのびと挑戦する。それがわたしの子育て

白晃さん
わたしは、母親としてもわたしの世界でいられたことがよかったと思っています。

子どもに合わせた遊びを一緒にすることもありましたが、アート寄りのイベントに一緒に出向くことも多かったですね。楽しかった。

相原

大人びたお子さんになりそうですね!笑

アートイベントなどは大人びた内容だと思いますが、お子さんは楽しんでいたのですか…?

白晃さん

実際、子どもはどう思ったかわかりません。

展覧会を見に行ったり、ダンスを見たり、美術館のワークショップに参加したり、音楽を聴きに行ったりするのにも子どもと一緒に出かけました。

わたしが楽しいところに行っていました。笑

きっと、子どもにとっても大人の人間関係…色んな人がいるんだということを知ることができたんじゃないかなと思っています。

相原
子どもの頃から大人の人間関係を感じる機会ってあまりないですよね。

普通の教育とはちょっと違いますね!

お子さんから、当時に関して何か言われたことはないのですか?

白晃さん
「みんなと一緒じゃなくてもいい」と思えるって言っていましたね。

わたしは自分で楽しんで、活き活きしている姿を見せられたのがよかったかなと思っています。

心が豊かで根っこが深い人に育ってくれたら嬉しいですね。

(ワークショップの様子。こんな筆使いも練習します。)

相原

母親として、自分の道を進む背中を見せるというのは子どもにとってもいい刺激になりそうです。

白晃さん
お仕事で、数日家を空けることもあります。

「今、自分のやりたいこと、やれること」を一生懸命にやる。それが、自分らしいやり方だったと思います。

幸い、家族もそういうわたしを受け入れて応援してくれました。

家族がぎゅっと団結できていたのは、ありがたかったですね。

アート志望の若者に伝えたいのは2つ。「気持ち一つ」「人のせいにしない」ってこと。

相原

アート志望だったり、好きなことを仕事にしたかったりする人は多いと思います。

そんな人たちに伝えたいことはありますか?

白晃さん
葛藤や苦しみを乗り越える根性がいるかな。傷つく覚悟が必要。

やっぱり、美味しいところだけは難しいです。

相原

誰も導いてくれない、マニュアルがない世界だと、苦悩するところがたくさんありそうです…。

白晃さん

苦しいけど、楽しいからできる。

何が待っているんだろう!痛い思いもするけど、やっぱり楽しい!

生きているなという実感があります。

そして、だれかと共感が生まれた時に幸せを感じます。

 

できるかできないかじゃなくて、「やる!」っていう気持ち一つだと思います。

誰にも頼らずにやるなら、起こっている物事は自分のせいで起こっているわけで、誰のせいにもしないこと。

これも大事なことです。

相原

「やる!と気持ち一つ持つ」こと。

自分の行動に責任を持ち、「誰のせいにもしない」こと。

この二つが大事なのですね。

(ワークショップ会場。始まる前の様子。)

白晃さん
わたしは、今の道を選んで立っている。

そのなかで、できることをやっている。

それでよかったんだと思います。

大好きなアートを仕事にするには勇気が必要。その代わり、とっても面白い。

やりたいこと、とくにアートに携わるとき、どこに向かえばいいかわからなくなる。

そんな、自分と向き合う辛さが絶対に訪れるといいます。

きっと、楽しいことばかりではないはず。

 

しかし今回、大好きな筆を仕事にしている白晃さんに出会って、

もちろん大変なことはあると思いますが、日々が充実していてとても楽しいのだろうと伝わってきました。

 

「こうなりたい」と思うビジョンが白晃さんの中にしっかりとあるのでしょう。

だからこそ、それを達成させるためのパワーを彼女から感じます。

 

逆に、「こうなりたいと思い続ける勇気」がなければ、アートを仕事にするのは難しいです。

好きなことを仕事にするには、「こうなりたい」という気持ちからくるパワーが必要なのです。

 

「できるかできないかじゃない、気持ち一つだよ。」

 

そうやって、覚悟を決めてしまえばいいのですね。

わたしも挑戦心を忘れず、進んでいきたいと思います。

この記事を書いた人

相原 由佳(ゆかか)

松山市出身。愛媛県で田舎暮らしをしつつ、フリーライター・ライター講師として活動中。好きな時間・場所で働きながら、きままに旅行を楽しんでいる。仕事でも挑戦しつつ、もっともっと遊びまわるように生きていくのが夢。

Twitter:@yukaka66

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です