愛知県出身。カンボジア・愛亀駐在員、丸岡茂基さん(35歳)②

愛媛の建設会社「愛亀」カンボジア勤務 丸岡さんのインタビューです。
前回のインタビューはこちら

社会人経験ゼロで始めたカンボジアでの仕事

丸岡1

日本に戻ろうとは思わなかったんでしょうか?

野球の大会が終わったら帰ろうと思っていました。

でも、野球を一緒にやっている方にカンボジアでODAのコンサルタントをやっている社長がいて、「うちで働かないか」って誘われました。
野球で知り合ってお世話になっていたのもあるし、せっかく声かけて頂いたので、そちらの現地法人に2014年1月から勤務しました。

これまでの野球もそうですが、声かけてくれるというよりは、自分からセレクションなどを受けたりして入ることが多かったんですね。
でも、そうやって「一緒にやらないか」って誘ってもらえたことは嬉しかったですね。

事業内容は建築土木のODAコンサルで、一緒に働く方は、プロフェッショナルの方。
でも自分には経験がなかったので、カンボジアの会社に聞き込みに行って調査や、レポートをまとめる仕事を行いました。

野球で繋がっていたつてもあり、建築関係の方には実際の現場を見させて貰いにいきました。

たくさん怒られましたよ。
現場に行ったは良いけど、「なんでヘルメットないの?」そこからでした。
今考えたら常識なんですが、カンボジアでは当たり前じゃなかったんですよ。
でも、怒られながらも、自分のために教えてくれようとしたのが、本当にありがたかったです。

その後2014年夏に、会社がJICAの案件を受注し、そちらの仕事も担当することになりました。

今の会社に入ったきっかけは何ですか?

実は今の会社は、その時のJICA案件を受注した企業なんです。
その会社(愛亀)がカンボジアに現地法人を作るっていう話がありました。

社内には、愛媛が好きで愛亀で働きたいって思う人が多いんです。
転勤しても、中四国だったり、愛媛に週末帰れるような。なので、カンボジア行きを希望する人が愛亀の中にはいなかったんです。

でも、日本人は誰かいた方がいい。
そこに、案件化調査をしていた自分がいました。

愛亀のエクセルという常温合材の案件化調査の担当をしていましたが、こちらの商品のカンボジアでの需要の高さや、技術の高さを持っている愛亀社に関心もありましたし、案件化調査で一緒にお仕事をしていた愛亀の社員の方に、とても親切に接して頂き、JICAの仕事でカンボジアに来ていた愛亀の西山社長に、カンボジア駐在員として、愛亀への入社を希望しました。

案件化調査で愛亀の道路の仕事に関わる、ということで事前に道路補修、維持管理について自分なりに勉強してはいましたが、専門的な知識は全くありませんでした。

社長からは「道路舗装のことを知ってもらうために、愛媛の現場で半年働いてもらうよ」と言われました。
もちろん不安もありました。
ただ、1から教えてくれるのであれば、そこで頑張ろうと思いました。

それまで愛媛との繋がりはなかったですね。
ただ、カンボジアに誘ってくれた友人が、四国アイランドリーグの選手でした。
これまで私は、日本での社会人経験がほぼなかったので、家族もびっくりしていました。

コンサルタントでの引き継ぎや残務整理を終えて、2015年12月に入社、7か月愛媛で研修をしました。
出遅れてるんだから、一生懸命勉強しようと思いましたね。

アスファルトって固まったら終わりです。
なので、失敗しないように、チームワークが大事。
入ってから3月末まで繁忙期でピークでしたね。

また、3月末時点で新入社員として、鳥取大学出身のカンボジア人が入りました。
寮では同部屋で愛亀としては、外国人採用第一号がカンボジア人でした。
今もその子は愛媛で働いています。

愛媛で思い出に残ったことを教えてください。

松前町の寮に住んでいました。
道路工事の繁忙期が終わったら野球をしていましたね(笑)。
グループ全体で社員数が約300人いるので、社内に野球チームがあり、軟式野球でしたがそこに所属しました。

県内旅行もたくさんいきましたよ。
もともと旅行は好きで、中学校の時も、愛知から琵琶湖まで自転車で行ったこともあります(笑)。
今回は身一つではないんですが、車に布団を積み込んで、四国を巡りました。

中でも思い出深いのは伊予市双海にある駅ですね。
日本で一番海が近い駅。
夕日が見える駅と言われる伊予灘駅です。

ここは、愛媛に来て初めての道路舗装の現場だったんですよ。
海沿いの道路現場でカンボジアから戻ったばかりで体がなれておらず、海風がとても寒かったです。

工事が終わった後に、現場近くに有名な駅があることを知り、自分が舗装した(舗装したと行っても作業員さんのお手伝いだけですが)道路を使ってそこまで行きました。
できたての道路を走るのは気持ちよく、伊予灘駅から見える夕日はとてもキレイで、観光客も多かったです。
こんな夕日のキレイな観光地までのアクセス道路を舗装でき、仕事が目に見える形で人の役に立っているということがわかり、達成感がありました。
これは道路舗装の仕事の良いところだと思います。

下灘駅

カンボジアではどんな仕事をされているんでしょうか?

道路の舗装関係の仕事ですね。
今はエクセルというアスファルトの常温合材の建設資材を中心に販売しています。

普通アスファルトは温かいのですが、これは転圧すると固まる常温のアスファルトです。
道路の穴やひび割れにエクセルを入れて、車が踏むだけで転圧されて固まります。

カンボジアにJICAのプロジェクトで建てた工場もあります。
自分がやっているのは、その中で工場の輸出入の発注、商品の営業、カンボジアの道路の改修工事の入札の準備や、出張者が多いのでその対応。何でも屋です(笑)。

また、今新しくアスファルト乳剤の工場を作っています。
乳剤によって、アスファルトを乳化させて舗装の表面処理、安定処理を行います。
乳剤と砂利を層にして転圧するだけで、これだけでも簡易的な道路になるんですよ。

カンボジアでも、2桁の番号が付いた道路はこの乳剤を使っての簡易舗装です。
日本も昔はそうでした。
乳剤はカンボジアでは作られていないので、こちらの現地法人で乳剤工場を作ります。
今年中の着工、来年の試験稼働が目標です。

今の仕事のやりがいを教えてください。

今は愛亀1社だけではできないことをできていることです。
たとえば、エクセルの普及に関してはJICAさんとカンボジアの政府機関に協力いただいてます。

愛媛のカンボジア企業の進出に関してのお手伝いをさせていただいているのは愛媛県庁さんとです。
道路の補修工事は愛亀だけではカンボジアでの実績がないので実績のある日系のゼネコンさんと組んで入札準備をしたりと、いろいろな方たちと仕事ができていることが自分にとてもプラスになっており、やりがいに繋がっています。

愛媛では、自分が舗装したところを走ったのが感動しました。
乗り心地どうなんだろうとか、ここも自分でやったなとか、考えながら。
舗装した道路は振動もなく、走りやすいんですよ。
とてもきれいだと思いましたね。

まだまだカンボジアの現地法人はできたばかりで日々勉強ですが、将来、この会社がカンボジアのインフラ整備の役に立てるように、まずは今あるプロジェクトをきちんと遂行することが大事だと思っています。

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