宇和島出身。九島・フリーウェディングプランナー、水野千尋さん(25歳)①



想定外の出来事も私を成長させてくれた、大切な出会いだった


水野 千尋さん(25歳)※取材時の年齢

  • 愛媛県宇和島市出身
  • ご主人が九島の地域おこし協力隊に就任したのをきっかけに、今年2月に家族3人で九島へ移住する。
  • 移住をきっかけに、高校の頃からの夢を叶え、ウエディングプランナーとして独立。『いつもの場所を、思い出のある特別な場所に』をコンセプトに、愛媛でオリジナルウエディングのプロデュースを行う。
あゆみ
沖縄、京都、山梨と渡り歩いたのち、生まれ育った九島を舞台にウエディングプランナーとして独立した、千尋さん。
「好きなこと以外したくない」「ウエディングプランナーって素敵」そんな方にこそ、見て頂きたいです。
では、どんな学生時代だったんですか?
千尋
中学校では不真面目だったと思います(笑)ただ楽しいことが好きで、中学生の頃はダンス(ヒップホップ)にはまっていました。友達とダンスチームを作って、文化祭やガイヤ(※)にでたり。もちろん、振付も自分たちで考えたんですよ。ほんとに、好きなことには熱を持ってやれるんですよね。

今思えば、学校の勉強も大事だなって思うんですけど。「この方程式が将来どんな役に立つんだろう?」って思っちゃう(笑)周りからやれって言われたこと、それをやってどうなるのかが分からないことを頑張るのが無理な子供でした。

ガイヤ:毎年開催されるうわじま牛鬼まつりの初日を飾るダンス。若者になじむダンスをと、1988年に完成。当日は、宇和島が一番熱く燃える日として、若者がダイナミックな踊りで真夏の夜を彩る。作詞作曲:宇崎竜童氏。振付け:土居甫氏(ピンクレディー等の振付を行う、宇和島南高校出身)(参照元:ガイヤカーニバル実行委員会)

あゆみ
高校は、宇和島水産高校の増殖科に行ったんだよね?なんでそこを選んだの?
千尋
理由…は、家から近いからですね。実家から自転車で5分だったからぎりぎりまで寝てられるなと思いました(笑)
あゆみ
えー(笑)!
千尋
(笑)あとは、実は父が真珠養殖に携わっていたので、少し興味があって。

ただね、入ったら入ったでめちゃくちゃ勉強したんですよ。海洋環境の研究、主に海水の水質調査が専門だったんですが、水質調査を行う学校が年に1度集まるような、全国規模の調査報告会にも出ました

ほんとに好きなことには、熱を持ってやれる

あゆみ
えー、すごい!でも数式苦手だって言ってたよね。のめり込んだのはなんで?
千尋
意味不明な計算とかめっちゃするんですよ。水質調査って(笑)この大きさの中に、どれくらい微生物が入っているかとか。

まさに苦手…というか、やろうともしなかった分野で。やっぱり、計算に興味があったわけじゃないんですよね。「この調査が父の役に、というか地域を担う養殖業の未来に役立つんだ。」それを感じられたので、楽しかったんだと思います。

あゆみ
なるほど。確かに同じ計算でも、中学校のときとは違って、なんでこれをやってるかが見えたんだもんね。
千尋
そうなんです。計算もですが、苦手というか、やらずに面倒だと思ってたんですよね。
ただ「じゃあ、なんでこれをするんだろう?」って、その先が分かると楽しかったんですよ。

しかも苦手なことに挑戦して達成すると、好きなことをするより、成長を実感できる。
その時に不本意なことでも、やってみたら楽しいかもしれない。色んなことをするうちに好きなことが定まっていくのかなって思いました。

高校3年のときに猛勉強してウエディングプランナーの資格を取った。

あゆみ
わー、それ分かる。だからこそ、若いときにたくさんの人や物に触れておきたかったなって思うもん。卒業後は、何をしてたの?
千尋
20歳には宇和島を出ようと思ってたんですよ。なので、とにかくお金を貯めようってアルバイトを頑張りました。
元々、高校生のときから接客が好きで。高校生のときは3年間お寿司屋さん、卒業してからはお菓子屋さんや居酒屋とか…。一緒に働いた人達がすごく温かくて、接客についても勉強になりましたね。
あゆみ
何しようと思ってたの?
千尋
ウエディングプランナーになりたかったんですよ。
あゆみ
へえー!じゃあ高校のときにウエディングに興味があったんだ。珍しいと思うんだけど、きっかけはあったの?
千尋
高校の実習で、真珠の核入れ(※)をしたのがきっかけです。これまで、父がやっているのを見てたから、もちろんやり方は知ってますよ。なにも光ってない玉を貝の中に入れて、1年くらいかけて取り出すんです。

でもいざ自分で入れたものを取り出したとき、知ってたし、分かってたけど、神秘だなと思ったんですよね。真珠って、人が手を加えただけでも、自然に置いただけでもだめ。人と自然が合わさって出来るんですよ。

ただ当時、真珠のアクセサリーって古いデザインしかなくて。「人と自然が織りなす力で出来たものを、素敵な感じで世に出せないかな?」そう考えたときに、真珠といえば冠婚葬祭だな。ウェディングっておめでたいし、ウエディングを通じて、真珠を広められないかなと思って。

高校3年のときに猛勉強してウエディングプランナーの資格を取りました(笑)
ただ、真珠のためにとった資格だけど、ウエディングプランナーについて知れば知るほど「これはなんて素敵な仕事なんだ」と思いましたね。

核入れ:アコヤ貝の体内に、真珠の元となる核を挿入する仕事。 核は、貝殻を削って丸くしたもので、一人前になるのに何年も修業が必要。

私にしかできない接客を見つけるのがすっごい楽しかった。

あゆみ
出た!ほんと、好きなものには熱中するタイプなんだね(笑)それから?
千尋
20歳になったときに、沖縄の離島小浜島に行きました。ウエディングが大好きだったので、宇和島でも単発でウェディングのアシスタントをしていたんですよ。ウエディングの仕事もしたいし、慣れ親しんだ海も大好き。なので、リゾートウエディングに興味がありました。

そんなとき派遣会社に登録したのですが、何か所か推薦してくれて。
「1つだけウエディングがない会社があるけど、のりにのってるから候補に入れとくね」って。
ただ、ちょうどその会社を見たときに「ここで働いている気がするな」って思ったんですよね(笑)それで小浜島に行きました。

あゆみ
そこでは何をしてたの?
千尋
星野リゾートというホテルグループで働きました。小浜島って日本の果ての果てなんですよ。なので、来た人にその島の魅力を伝えるんですが、アクティブなお客様もいれば、遠距離を移動してゆっくりしたい方もいる。「どこに行けばいい?」っていう質問1つにも、私にしかできない接客を見つけるのがすっごい楽しかったです。

あと普通のホテルって、フロント係はフロント係専門なんですが、星野リゾートはフロント、レストラン、ベットメイキングとか何でもやるオールラウンダーで。「お客様全員に楽しい時間を提供したい」みんながそんなハートフルな気持ちで仕事をしていたのも楽しかったです。


興味のない分野でも『何のためにやっているのか』を考え、『楽しい』に結び付けてきた千尋さん。
「むしろ、苦手なことに挑戦して達成すると、好きなことをするより、成長を実感できる」そう思ったきっかけは、宇和島の自然や家族の存在でした。
次回、ウエディングプランナーの仕事や結婚式の様子など。九島やコンセプトウエディングの魅力についてもたっぷり語って頂きます!

🍊千尋さんにウエディングのお問合せをしたい方は、こちらまで🍊
『Mare』(マル)ラテン語で海を表す言葉

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