アメリカ&西予市出身。ゲストハウス「おめぐり庵」運営、ベンジャミンさん&昌美さん



 

グロス夫妻(ベンジャミンさん、昌美さん)

  • ゲストハウス「おめぐり庵」の運営
  • ベンジャミンさん:アメリカ・ペンシルベニア州出身
    昌美さん:西予市明浜町出身

 

どんな仕事をしているんですか?

昌美さん
2017年9月より、私の地元の西予市で「おめぐり庵」をオープンさせました。6割ぐらいが海外からのお客さんで、田舎の里山の暮らしを体感していただいています。ただ宿泊するだけの環境を提供するのではなく、果物や山菜を摘んだり水汲みに行ったりと、日本の田舎の暮らしそのものを楽しんでもらっています。
ベンさん
実は、おめぐり庵は空き家を改修して作ったものです。隣にある私たちの自宅とあわせて9か月間かけ、宿の内装はほとんど自分たちで手がけました。自然とのつながりが感じられる空間で「どこか懐かしくて落ち着く」と感じてもらえればうれしいです。

なぜこの仕事をしようと思ったのですか?

昌美さん
自然に寄り添った暮らしがしたい」と思ったからです。
京都で社会起業家支援団体で働いていたのですが、その頃は訪れる起業家のビジョンを明確にしたり後押したりする仕事をしていました。
そんな中で、自分が望む未来について考えるようになり、その結果「一番自分らしく在りながら自分の経験を活かすことのできる場所は愛媛だ」ということに気付いたのです。

そしてあるとき、「1年後の自分に手紙を書きましょう」という企画に参加し、そこで書いた内容は、「豊かな自然の中で暮らしながら自営業を営んでいる」というものでした。
1年後、そのビジョンが現実になり、今の「おめぐり庵」というカタチになりました。

この仕事の魅力はなんですか?

ベンさん
泊まってくれたお客さんが、田舎の暮らしそのものを味わい楽しんでくれた時がすごく嬉しいです。
海外の方でも土や木などの自然素材でできた古民家を「懐かしい」と感じてくれる人が多く、人の起源は万国共通だと思わされました。

印象に残っているのは、88か所巡りをしていたポルトガルの有名俳優さん。Instagramのフォロワーが30万人を超える方で、ポルトガルでは常に誰かに見られている感覚があるそう。だけど、日本では知っている人は少ないし、おめぐり庵では自然だけに囲まれた生活ができる。「ここでは素の自分でいられるよ」と言ってくれたのが本当に嬉しかったです。

これまでのベンさんの人生について教えてください。

昌美さんとの出会い

ベンさん
幼少の頃から様々な武術を習い、20代で日本に来てから京都で古武道に没頭しました。その時の師匠が昌美の姉の義理のお父さん。そこで昌美と出会いました。様々な日本の文化に興味があり、書道や尺八や造園も趣味でやっています。「昌美と一緒に、学んで来た事をカタチにしたい」と、結婚を機に愛媛にやって来ました。

人間と地球の調和

ベンさん
古武道を学ぶ中で「心身を整える」ということに興味を持ち整体を学び始めました。そして、「自然体であること」が何よりも大切だと氣付きました。

「健康であること」は「自然体であること」。逆に「自然体であること」を目指せば、「健康になる」ことができます。人間の健康には、自然体でいられる生活や環境が不可欠です。草木や花や動物にも同じ事が言えます。つまりは地球との調和を目指せば良いのです。現在、私自身は氣功整体師として、患者さんが自然体(健康)になる手助けをしています。身も周りの外氣や身体の中の内氣のめぐりを整える施術に加えて、衣・食・住の暮らしがまずは大切だということを伝えています

これまでの昌美さんの人生について教えてください。

生きる力を身につけた海外生活

昌美さん
20代の頃、タンザニアで青年海外協力隊・理数科教師として活動していました。猪ハンターの父の影響で「自然の中で生きる力」を目の当たりにして育ちました。小学生の時、映画の中で映し出されたアフリカの方々の姿が「たくましい!」と感じ、「アフリカに行きたい」という夢をそのころから抱き続け、大学卒業後に実現しました。
どんな環境でもたくましく生きる力を身につけたい」という気持ちが元々あったので、厳しい環境だったからこそより楽しく充実した生活を送ることができました。

自分らしくいられる愛媛への移住を決意

昌美さん
その後、海外各地や屋久島での生活を経て、京都で社会起業家支援の仕事に就きました。多くの方が社会に貢献できる活動をビジネス化しようと模索している中、「私には何ができるのだろう?」と自然に考えるように。

そこで、今までの自分の人生や経験を振り返り、一番力が発揮できそうな場所として思い浮かんだのは、生まれ育った愛媛県西予市でした。ネットで偶然見つけた古民家の空き家は「自然に寄り添った生活がしたい」という2人のイメージにもぴったりでした。
西予市には、移住者向けの空き家改装補助金などの支援も充実していて、私たちの新しいスタートの力強いサポートとなりました。近所の皆さんも温かく迎えてくれ、地域の方々から不要品など色々いただいて今のゲストハウス「おめぐり庵」をスタートすることができました。そんな地域に感謝を込めて、地域の魅力を発信できる宿泊施設としてイベント会場として「おめぐり庵」を運営しています。

ベンさんを表す、価値観を教えてください。

ベンさん
人間、水がないと生きていけないのは紛れもない事実。その上で、「今飲んでいる水がどの山から流れてきたものなのか」を知ることで、自然の摂理も知ることができる。自然と調和した生活は、こういう小さなことから始まると思います。
また、呼吸をしないと生きていけません。毎日絶えずおこなうものですが、だからこそ「呼吸の仕方を変えることで体内の何かが変わって、生活が変わるかもしれない」と考えています。自分の中で何かを変えたいと思ったら、大それたことを考える前に、まず呼吸を変えてみましょう。

昌美さんを表す、価値観を教えてください。

昌美さん
人は過去の経験や先入観が邪魔をして、目の前の自分の中になかった考え方や環境になじめず拒否反応やストレスになっていることが多くあります。海外生活や家づくりなどさまざまなことを経験して言えるのは、まずは自分の固定観念を「手放し」、新しいものを「受け入れる」ことの大切さ。「受け入れる」というのははじめから拒否するのではなく、「単にその物事をありのままに受け止める」という取り組みです。そうすると良いと思ったものは素直に取り入れ、そうではないものは双方の違いとして理解し、尊重することもできます。受け入れたり手放したりすることがうまく出来ると、自分にとって必要なもの必要でない物の取捨選択がストレス無くできるようになり、ハッピーに暮らせるようになると思います。

 

おめぐり庵については『こちら』から。

 

この記事を書いた人

角田 尭史(すみだ たかし)

松前町出身。東京のWebメディア運営会社で編集長を務めながら、観光系サービスの広報を兼任。ほかにも、カメラマン、インタビュー講師など、パラレルキャリアを邁進中。図解を生かした情報整理には定評あり。
Twitter:@Sumida365、note:@Sumichan11

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