ご当地グルメなるか?!プラチナサーモン
前回の記事はこちら。
新種の開発も
体色が白いのは、黒い色素のメラニンを作れないアルビノという性質だからです。
眼もルビー色になります。
サケ科に属する日本のサーモンをアマゴというんですが、体色が白いアマゴは、全国にもここにしかいないはずです。
今飼育しているプラチナサーモンは、普通のアマゴに比べて、大きく、脂もあって美味しいですよ。
そもそも、作ったきっかけはなんだったのでしょうか?
それを続けて研究したいと思っていたときに、家業がアマゴ養殖の生徒に、「やってみない?」って声をかけたのが始まりです。
生徒の保護者も、「面白そうだ」と協力が得られ、もう30年くらい一緒にやっています。
学生にとっては、魚のバイオテクノロジーや品種改良を学習する機会になっています。
プラチナサーモンとは?
それに、サーモンは海外の方からも人気ですよね。
プラチナサーモンの魅力を教えてください。
三倍体とは、染色体を1組余分にもつ生物のことで、繁殖能力がなくなります。
バナナには種がありませんよね。
これは三倍体だからで、野生のバナナには、ちゃんと種があるんですよ。
サーモンは、通常産卵すると死んでしまうんですが、人為的に三倍体にすると卵を作れなくなるので、寿命が延びて成長し続けることになります。
三倍体のサーモンは珍しくないのですが、アルビノのサーモンを三倍体にして養殖する例はないと思います。
サーモンを三倍体にするには、受精卵を温水に浸けるだけなので、食べても安全・安心なんです。
今のところ、プラチナサーモンは販売していないので、関係者と生徒しか食べていない幻のサーモンなのです (笑)。
とても好評ですよ。
(上がプラチナサーモン、下が一般的なサーモン)
(プラチナサーモンの稚魚)
プラチナサーモンの今後
それは、これからわくわくしますね。
プラチナサーモンに期待することはなんでしょうか?
ですから、愛媛県南予のご当地サーモンとして他のサーモンと差別化できるのではないかと期待しています。
鮮魚で流通できれば、おめでたい席の食材としてプラチナは面白いと思っています。
生産の苦悩
むしろ、これからどのように認知度を上げて、販売を拡大していくかが課題ですね。
今は売れるかどうか、魅力的な商品になるかどうかわからないので、リスクを避けるために生産量を少なくしています。
今後は、口コミで広がっていくのを期待しています。
人気が高まれば、生産量を増やすことも可能です。
三倍体とアルビノの生産は技術的に確立しているので、たくさん作って、どんどん売れればよいなと思っていますし、そうなれば長年の夢が叶います。
前進を続ける魚の研究
マダイを養殖すると、紫外線の影響で体色が黒くなります。
これを防ぐためにエビを与えたり、黒い布でイケスを覆ったりするのですが、このことが養殖コストの上昇につながります。
日焼けしにくい鯛ができれば、業者の方にも好都合でしょうね。
魚でも日焼けするのに驚きました。
魚業界にも美白ブーム到来ですね(笑)
魚には耳石という感覚器官があって、この耳石だけを染色することができるんです。
耳石を染色したアマゴを川に放流し、1年後に釣れた魚の耳石を取り出して調べると、染色された耳石を持つ魚が放流魚だということがわかるんです。
川の環境や放流した魚がどれくらい生き残っているのか、成長の度合いとかを確認できるのが面白いと思います。
先生自身は、これから何をしたいですか?
耳石の形状は魚の種類毎に異なるので、耳石の形態的特徴から魚の種類が分かるんです。
遺跡から出土した耳石から古代人が食べた魚の種類がわかるそうですよ。
現在1800種の魚の耳石を集めたので、将来は、耳石図鑑のようなものを作りたいなと思っています。
若い方に地元の魚をたくさん食べてもらえれば、需要が高まり後継者も増えるだろうし、水産業はもとより地域も活性化すると思います。
魚は美味しくて面白いですよ!
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